Observation Log(射影された観測/結論なし)
複数工程を通過した生成画像の権利確認不足
Date:2026-09-19
object
小学館「サライ.jp」の挿絵制作で、Web検索された既存の豪姫肖像画が権利者や利用可否を確認されないままChatGPTへ入力され、生成後に人手加工を経て納品・掲載された。編集部と編集プロダクションは、納品されたイラストの権利関係を十分に確認しないまま掲載していた。
notes
- 編集部は、編集プロダクションを通じてフリーランスのイラストレーターへ挿絵制作を発注した。
- 編集プロダクションは、豪姫本人について十分な肖像資料を用意できず、着物姿の女性の参考資料を提供した。
- 制作者はWeb検索で豪姫の既存肖像画を見つけた。
- 制作者は、その肖像画について権利者や利用可否を確認しないままChatGPTへ読み込ませた。
- ChatGPTへの指示は「中世戦国時代の姫を出して欲しい」だったとされる。
- 生成画像はAffinityへ取り込まれ、着物の柄などが加工された。
- 顔については別の銅像資料を参考に修正された。
- 元の肖像画は三善氏が制作し、著作権は岡山市が保有していた。
- 編集部と編集プロダクションは、納品されたイラストの権利関係を十分に確認しないまま掲載した。
- サライ.jpは、制作時の権利確認の不徹底に加え、外部委託先・再委託先への指示や管理不足、掲載前確認の不備を原因として挙げた。
- 問題は、記事公開後にSNS上で寄せられた指摘を契機として表面化した。
- 一つの掲載画像に、Web検索、既存画像参照、生成AI入力、AI生成、人手加工、別資料参照、委託納品という複数工程が含まれていた。
- 各工程間で、元画像の権利情報や確認状況がどのように共有されていたかは記事から確認できない。
implications
- 生成AIを含む制作物では、入力素材、生成結果、人手加工、納品物が別工程として存在する場合がある。
- 複数の制作工程や主体が存在する場合、権利情報がどの地点で確認・共有されているかが観測対象になりうる。
- 今回事例では、掲載前の内部確認だけでは問題が検出されず、公開後の外部指摘によって問題が表面化した。
questions
- 入力素材の権利状態は、制作工程のどの地点で確認・記録されていたのか。
- AI生成と人手加工を経た成果物について、発注側はどの範囲まで制作経路を把握していたのか。
- 公開前の確認工程と、公開後に外部から問題が検出された工程の間には、どのような差分があったのか。